無神論が語られるのは神を否定するとき、特にキリスト教を否定するときである。
しかし私は究極の無神論とはイエスの言動と生涯そのものではないかと考えることがある。
イエスは自分が神である、神の子であるとし、そうであることを文字通り身をもって示した。
その結果人々は動揺して彼を神を僭称し世を惑わすものとして犯罪人として死刑にしたのである。
神がもし肉体をもって地上に降り立つならそれを殺害することこそ究極の無神論、無神論の完成である。
では神を殺したのはだれか?
ローマ人か?ユダヤ人か?
私はイエス自身だと思うのである。
彼はもし神が地上に降り立ったらどうなるかという壮大な仮定を実演してそれを人々に否定させることにより自分は一言も「神はいない」と言わずに神の実在も可能性すらも否定することに成功したのである。