語っていたのは元パイロットで、聞き手は有名youtuberで私も彼の動画をいくつか観たことがあって、まあまあ信頼できる人だと思っている。
名前を書かないのは別に伏せているわけではない。大っぴらに公開されているので探せばすぐ見つかるだろう。検索などで引っかかってあまり見られたくないので名前は書かない。
話の内容はよく聞かれる陰謀論を全面的に否定するものでありそれには私も同意見だが、意外だったのが機長を始めとする乗務員たちに過失があったという見方である。
元パイロットは、彼らは尾翼破損が起きた時点で酸素マスクを付けて対処法を議論すべきだったのにそれをしなかったために酸欠を起こして意識もうろうとし正確な判断ができなかったというのである。
もし正確な判断ができていたら、その時訓練中で機長席に座っていた副操縦士と操縦を代わり、油圧が機能しなくてもできる操作を使って海面に不時着ができたかもしれない、というのである。
当時の乗務員たちは正確な判断ができなかったために機体をコントロールできないまま群馬の山中に墜落させてしまったのであり、横田基地に着陸しようとしたとかいいう意図はなかったとのことである。
彼はボイスレコーダーは非公開の部分まで全部聞いていると語っていた。彼によると非公開部分は乗務員の間の罵倒のようなものだけであって事故の本質を隠ぺいするようなものではないとのことである。
ちなみに有名な「オレンジエア」については一笑に付しており、そんなことを言うことはありえない、あれは「オールエンジン」である。と断言しているのだがあらためて聞き直したがどう聞いても「オールエンジン」とは聞こえない。だからと言って「オレンジエア」だとも思わないが。
もう一つ新しい話としてあったのは、米軍の救助要請を断ったことについて、当時の運輸大臣の山下氏と総理大臣の中曽根氏が事故の重大さを認識できず他人任せであったことを批判していることである。
陰謀論を唱える人たちは中曽根氏が意図的に事故の真相を隠ぺいするようなことをしたというが、それはなかったが、適切な対応ができなかったということで否はあるというのである。
山下氏については女性スキャンダルのことにも触れて、人間的に問題があるということを語っていた。
wikipediaを見てみたら、山下氏は墜落した123便の機体に、墜落する前に福岡から羽田に飛行したときに搭乗していたそうである。
この対談でもまだ不明なところがあるのだが、その一つは米軍の救助要請を断った理由である。
まず、事故に関する隠ぺい工作をおこなうための時間稼ぎだとかいうのは論外として、
メンツの問題、費用の問題、米軍に借りを作りたくなかった、などいろいろ考えたが、
たいした意図はなかったようにも思えてきた。
たとえば、墜落して炎上したのならもう絶望的だろう、日も暮れて山奥に救助は難しいから夜明けになってから、と考えたとか。
中曽根氏は夏季休暇中であった。
事故から40年たとうとしている。当時私は高校生で、その日は有楽町で映画を観た日だった。墜落したのは夜7時ごろなので、9時ごろにはテレビでは墜落したようだというニュースになっていたと思う。
JAL、乗務員、ミスだとされた修理をした整備士、政府、それぞれに過失や怠慢があったかもしれないが、ヒステリックに陰謀だと言ったりどこかに責任を押し付けようとするのはやめた方がいいと思う。
おそらくこれは稀にしか起こらない事故だったのである。
もし何か隠ぺいされるようなことがあったとしたなら、40年たってまだそれが露呈していないなら、隠ぺいが成功しているのである。
そんなことを言っちゃ、いけないか。
でも、ケネディ暗殺もそうだけど、世の中そんなに何もかも誰かが仕組んだように動かないしどうにかしようなんて考えてないと思うんだよね。