まず、モノを買うときは消費者と販売員。問い合わせをすれば消費者とサポート窓口。開発なら、リクエストする人と応じる人。まとめる人と、報告する人。やる人と、チェックする人。作る人と、チェックする人。バグを報告する人と、直す人。発送する人と、配達する人。配達する人と、受け取る人。
発送、配達、受け取り、と3人で構成されているように見えるが、各人にとっては1対1である。配達者は二人を相手にするが、その二人の関係には関与しない。送りましたよ、受け取りましたよ、ありがとうまたよろしくね、というのは送った人と受け取ったひとがメールや電話でおこなうことである。
配達する人はそれぞれの利用者に自分のサービスを利用してくれたことに礼をいうだけである。
もっと現実に即した例にするなら、発送者、荷物の受付者、荷物を引き取る運送業者、集配所、受取人、という登場人物がでてくる。しかしやはり、それぞれのメンバーが仕事をするのは常に1対1なのである。全体のことは考える必要はない。もし、考えなければ動かないシステムは欠陥がある。
私が今している仕事では、1対1では済まない。そう、システムに欠陥があるのだ。組織に欠陥があるのだ。だから病人だらけなのだ。だからみんなウツになるのだ。基本は、するべき仕事に対して人員が多すぎる。余計な仕事が発生する。その余計な仕事をすることを生業にしている人がいる。だからそれが改善されることもない。
わたしが最初に目指したものは、システムエンジニアであった。プログラマではなかった。システムエンジニアとは、つきつめれば業務を改善する人である。コンピュータシステムはそのための強力なツールにすぎない。わたしにもそれくらいの理想はある。わたしは単なるオペレーター、コーダーなどにはなりたくなかった。
この、仕事をするときに全体のことを考えなくていいというのは、別スレで書いているインターネットがアプリのことを意識しなくていい、ということに通じる。NGNでやろうとしているのは、単純作業者に高尚な経営理念を持てといっているようなものだ。