スマホだとかワイファイだとか、すっかりPCが過去の遺物になりつつある昨今である。
回線の高速化、端末の高機能化により、動画の視聴も外出しながらできるようになった。
ワンセグとかいうしくみもあって、詳しいことはわからないが携帯電話などでテレビが視聴できる。
しかし、私は外出中に携帯端末で動画を視聴することはまず、ない。
音楽については、ほんの数分しかかからないコンビニへの買い物であってもiPhoneを持ってイヤホンをするくらい常時聴いているのだが動画視聴は電車の中でもしない。
私もワンセグ携帯が登場したときはおもしろがって外出中に笑点とか競馬中継とかを見たりした。しかしそのうち、全く見なくなった。今ではワンセグ機能のついた端末を持ってすらいない。iPhoneにはyoutubeのアイコンが最初からあるが、iPhoneでyoutubeを見ることもほとんどない。それは電波が弱いとか画面が小さいとかのために動画の質が見るに耐えないからという理由ではない。
「動画」を視聴するというのは、人間を非常に強く拘束する。音楽であれば、イヤホンをしながら歩くことはできる。ただし、後ろから車や自転車が来ても気付かずにすぐそばを通って驚くことがある。また、自分ではなく他人がイヤホンをしている場合、その人が肩にかけているカバンを人にぶつけても気付かなかったりするのを見ている。音楽でも、明らかに人を拘束し活動を制限するが動画になったら、もう歩みを止めさせてしまうくらいの力がある。
そうなると電車に座っているときとか、飲食店などで座ってゆっくりしているときなどに見ることになる。逆に言うと、動画を見たければ落ち着いて視聴できる場所に移動しなければならない。たとえば好きなスポーツの中継だとか、いつも見ているドラマだとかを、外出中に携帯端末で見る人は少ないだろう。その時間には万障繰り合わせて帰宅するとか、録画しておくとかして、ゆっくりじっくり見るはずである。動画というのはそういうものである。動画視聴という行為の本質が「いつでもどこでも見られる」という事に矛盾するのである。
だから、いくら端末が高性能になっても、電波状況が改善しても、動画というのは家でゆっくりみるべきものであることには変わりがないので、携帯端末で動画を見るような仕組みは不要である。
電車の中でCMを流すようなものもあったが、アレも同じ理由で不要だ。最近なくなったのではないか?