ある夜、あるコンビニでのできごと。
わたしはシルクエビスを掴んで、レジへ持って行き、ゴトリと置いた。
レジにはめがねをかけた若い男がいた。
彼のことは何度か見たことがあるが、いつも過剰に緊張している。
彼はシルクエビスの白い缶にバーコードリーダーをあてたが、なぜか金額が表示されなかった。
彼があたふたしていると、もう一人の店員がシルクエビスの値段を見に行った。
私はそれが254円であることを知っていたから、「254円だよ、254、ニーゴーヨン」と教えてやったが、
客の言い値で売るほど彼もバカではない。
わたしもそれはわかっていたからニヤニヤして待っていた。
そしてもう一人の店員が帰ってきて、「254円。ニーゴーヨン!」と言った。
彼は手でレジに商品の金額を入力し、私に254円を払うように求めた。
私は1000円札を置いて待った。
彼はその紙幣を受け取ると、「254円のお返しです」と、
私に2枚の100円玉と一枚の50円玉と4枚の1円玉を渡した。
私はそれを受け取って、あれ、なんか少ないなと思っていたら、彼は「すいません、間違えました」とかなんとかいって、
746円を渡してくれた。