昨日山を登っていて、アキレスと亀の話を思い出した。
大山は登山道に何丁目という表示があって、頂上は28丁目である。
16丁目あたりで、「やっと半分か」という声が聞こえる。
みんなかなり疲れている。
「ここからがキツいんだよね」
私はあまり今何丁目かという表示を気にしないようにしていた。
ランニングでもそうだったのだが、決まった距離の最後まで到達するとき、
後半というのはただの1/2ではない。
そして、最後の1/3あたりで心がくじけそうになる。
マラソンでいえば30Kmあたり。
マラソンに備えて練習していたとき、どんな距離を走ってもそれは同じだった。
10km走れば残り3kmが、5km走れば残り1.5kmが、20km走れば残り6kmが。
マラソンは3回走ったが、3回とも最後に失速した。
いずれも、前半は想定していたペースを超えるくらい快調なのだが、
折り返しをすぎると急に不安になる。
「今まで走ったのと同じ距離を走るのか・・・」
体力はまだ残っているのだが、当然、今まで走って消耗しているのだから、
同じ調子では走れないだろう、と、頭で先にへばってしまうのである。
後半は、残りが何キロになっても、「まだあと○kmもあるのか・・・・」という
ネガティブな考えが湧いてくる。
半分走ったら折り返し、さらに10km走ったらあと10km、あと5km、あと3km、あと1km・・・・
どんなに残りが少なくなっても、つらい時は同じくらいつらくて、
永遠にゴールがこないような気になる。
しかし、ゴールしてみると意外に体力は残っていて、
なんであんなに絶望的になっていたんだろうと不思議なくらい。
つまり、完全に心理の問題、思い込みでバテているのである。
アキレスと亀の話は、単なる詭弁ではなくて、
そんなことにもあてはまるような気がした。