ある朝、JRの中でも利用客数はトップ10には入るであろう駅でのこと。
と書いてしらべたがトップ10には入っていなかった。
が、けっこう大きい、誰でも知っている駅だ。
平日で、私は出勤中で乗り換えるためにホームから階段を上ってコンコースに出た。
すると、そこへ眼鏡をかけて学ランを着た中学生とおぼしき少年が走ってきてぶつかりそうになった。
私はそのときあまり体調がよくなかった。睡眠不足か二日酔いかその両方で。
私も彼もよけきれなかった。
私はそのときとっさに左腕をL字のように曲げて体の前に出し、
腰を少し落として踏ん張って彼を突き飛ばすようにした。
彼はよろけたが、転びはしなかった。
ちょっと驚いたような顔をしたが、確か謝りはしなかったと思う。
そのまま走っていった。
わたしはこの野郎あぶねえなと思ったが、
とっさの自分の反応に驚くとともに、
俺もこんな反応ができるのかとちょっとうれしくさえあった。